可能性広がる!特別支援学級プログラミング教育

花川小学校で特別支援学級の子どもたちにプログラミング体験を実施

「 こどもプログラミング通信 No.7 」にて、生振小学校、花川小学校の2校にそれぞれ1週間滞在させていただき、出前授業だけでは難しいプログラミング教育普及のための活動を行った話題を掲載しました。この1週間の滞在の中で、花川小学校では特別支援学級の子どもたちに対するプログラミング体験を実施させていただくことができました。ひとつの事例としてご紹介させていただきます。

花川小学校での実践は、急遽実施されたもので、特別な準備のない状況でした。ですが、通常の出前授業をベースにしながらいくつか工夫した点があります。

  • 自由度が限られ、命令の少ない単純な教材を使用する(今回はHour of Codeのアングリーバードを使用)
  • 子どもの状況に合わせて個別に指導する

今回は、2年生~6年生まで、学年も支援の必要な状況も全く異なる子どもたちを一斉に指導するという試みでした。教員の皆さんがご自身も教材を体験しつつ、子どもたちにやり方のみを教えるのではなく、考えるポイントを指導しました。また、うまくいかなくても諦めず、もう一度試みるように働きかけたため、スムーズに進められました。

子どもたちの支援が必要な状況にもよりますが、ハードルを低めに設定し、まずは「できた!」という経験をさせてあげることで、次への挑戦意欲を引き出すことが重要なのではないかと感じました。

また、特に低学年の子どもは「左右の区別がつくか」「数の概念を理解できているか」などで必要な支援が変わってきます。ただし、左右の区別がつかない子どもが、右左逆にプログラミングを記述したとしても、画面上で間違った動きを見て「逆だった!」と自分で気付いて直せます。これも、これら教材の良い特徴ですので、上手に利用できると良いのではと思います。

実は、特別支援学級でのプログラミング教育については、総務省も全国的に実証実験を行うなど、授業に取り入れることに対する効果について期待されています。 教科書と向き合って授業を聞くだけでは、なかなか集中できない子どもが、プログラミング教育の教材や、コンピューターの操作には強い関心を持って集中して取り組むことも報告されています。私たちも、授業と結びつけて上手に活用する方法を模索していきたいと考えております。

関連サイト:アングリーバード https://studio.code.org/hoc/1

市内小学校に1週間お邪魔しました!

10月23日(月)~27日(金)は生振小学校に、11月7日(火)~13日(月)は花川小学校に、それぞれ出前授業の講師としてお世話になっている朝倉が常駐させていただきました。

目的のうちの一つは、小学校教員の経験がない朝倉が石狩市のプログラミング教育の支援を行うにあたり、普段の授業を見学したり先生方とコミュニケーションをとったり、学校にあるICT機器の操作を覚えたりして、「既存授業でのプログラミング教育」を考えるためのいろいろな情報を得ることにありました。

次期学習指導要領では、プログラミング教育を個別の教科とせず、既存授業の中で行うようにとされています。今回2つの学校に1週間ずつ滞在させていただく中で、ヒントを少し見出すことができたように思います。

また、もう一つの目的は、常駐している間にお忙しい先生方と少しでもコミュニケーションをとり、気軽にプログラミング教育について疑問に思っていることなどを聞いていただけたら…という点にありました。

では、1週間の滞在の様子をダイジェストでお伝えします!

生振小学校

生振小学校では、滞在中に3・4年生の体育の授業の中でプログラミング教育を取り入れていただきました。

発表会前だったため、劇中で踊るダンスの授業があったのですが、ウォーミングアップと称し、子どもたちはダンシングロボット、担任の先生にはプログラマになっていただいて、並んだ命令の繰り返しを体で表現するという手法でプログラミング的思考に触れていただきました。

出前授業ではなく、指導案を担任の先生が作成し、指導を担任の先生が行う、私が知る限り石狩市内では初のプログラミング教育!

約5分という短い時間ではありましたが、子どもの感想(命令を正確に行うことが難しかった)を拾い、コンピューターはこういった命令を正確に素早くこなすことができる、人間とは違う特徴があることをお話しされていました。

花川小学校

花川小学校では、滞在中に6年生のプログラミング教育出前授業(Code Monkey)を行いました。

また、中休みと昼休みにパソコンのある視聴覚室を開放!子どもたちが、用意されたプログラミング教育用の教材を思い思いに使い、プログラミングを楽しむ様子が見られました。

1年生で毎日通って次々とレベルアップする子もいたり、中高学年ではわからない子にやり方を教えるなどの交流も見られていました。6年生では、Ichigo Jamという小さなコンピューターにBasic言語で命令を記述するプログラミングに挑戦し、「かわくだりゲーム」を作るという上級レベルにまで到達した子も!

特別支援学級向けに、既存の出前授業をアレンジした授業を行うこともでき、たくさんの子どもたちにプログラミングを楽しんでもらうことができました。

(初出「こどもプログラミング通信」第7号 2017年11月21日発行)