小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第5弾)

E・F分類は教育課程外のプログラミング学習機会

教育課程外における分類として、学校を会場とするE分類と、学校を会場としないF分類があります。地域や企業・団体等において学習機会が用意されるものであり、児童の興味・関心等に応じて提供されることが期待されています。

小学校プログラミング教育の手引では、学校の役割としては、「児童の興味や関心を踏まえて、学習機会を適切に紹介するなど、相互の連携・協力を強化することが望まれます。」とあります。

あわせて手引では、教育委員会が主導し、企業・団体や地域等の人々と連携し、協力を得ている例が7つ掲載されています。

  1. 企業等との連携
  2. 企業等の社会貢献プログラムへの参加
  3. ICT支援員等の活用
  4. 市民ボランティア等の活用
  5. 大学等との連携
  6. NPO等との連携
  7. 学校放送番組の活用

いずれもカリキュラム・マネジメントとして外部の人的・物的資源の活用であり、学校としての取り組みや、教育委員会による支援も重要とあります。

「未来の学びコンソーシアム」に分類別の事例が掲載

各分類に応じた、実際の授業や取り組み事例に関する情報が続々と掲載されています。また、教材情報も充実してきていますので、指導や授業における計画作りの参考になります。

参考サイト:小学校を中心としたプログラミング教育ポータルPowered by 未来の学びコンソーシアム

(初出「こどもプログラミング通信」第17号 2018年9月28日発行)

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第4弾)

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、これまでA~Cの各分類を紹介してきました。今回は教育課程内でのD分類を紹介します。

D分類は教育課程内ありながら、クラブ活動など、特定の児童を対象に実施するもの

前回のC分類は、教育課程での実施、つまり、授業の一環として学校の裁量で実施するものでした。D分類も同じく学校における教育課程内です。しかし、すべての児童が対象ではなく、クラブ活動など、特定の児童を対象としている違いがあります。

児童が協力してプログラムを作成できるようにするためには、学校の創意工夫によって、コンピュータクラブやプログラミングクラブを設けるとあります。また、他の分類とは異なり、教育課程外でのプログラミング機会(E分類・F分類)でプログラミングに関する知識を持つ児童が、苦手な児童に対するサポートの役割を持たせることも書かれています。

例示では、特定の言語環境や教材については示されておらず、

  • 児童の発達の段階
  • プログラミングの経験
  • 作成しようとするものが何か

に応じて適切なものを選択する必要があります。また、漠然とプログラムに取り組むのではなく、発表会を設けたり、プログラミング・コンテストへの参加を促すなども書かれています。

D-① オリジナルアニメーションを作ろう

例示では動的なコンテンツの作成として、キャラクタ等の動きの制御だけでなく、画像や音声についても、自分で作成したいという意欲のある児童が想定されます。

D-② 家で使える便利な機械を考えよう

例示は各教科の学習の中でつくるよりも更に自由な発想で、様々な機械のモデルとそれを制御するプログラムを作成したいという意欲を持つことが想定されます。

これまでにご紹介したプログラミング教育の教材を、児童の段階や興味や用途で使い分けていくことも考えられます。

(初出「こどもプログラミング通信」第16号 2018年8月28日発行)

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第3弾)

C分類は教育課程内ありながら、各学校の裁量で実施する授業

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、前号までは「A分類」と「B分類」を紹介してきました。具体的な例示の有無はあるものの、いずれも学習指導要領と関連付けた実施の位置づけです。

一方、教育課程内で学校が独自の裁量で実施するのが「C分類」です。プログラミング的思考を育むと共に、プログラミングに関する一定の体系的な知識や技能を学ぶことも想定されています。

手引では、学校の裁量で時間を確保するのが前提です。各教科と関連なく実施することも可能ではあるものの、各教科の学習と関連させた具体的な課題の設定により、児童が取り組みやすくなると考えられるとあります。

C-① 各教科等の学習を基に課題を設定し、プログラミングを通して課題の解決に取り組む学習を展開する例(社会5年)

例示は社会科の日本の工業生産における優れた製品を生産する工夫や努力の学習と関連付けて、自動追突防止装置の付いた自動車のモデル製作・追突を回避するためのプログラムの作成が挙げられています。大阪市立苗代小学校の「プログラムロボット学習」が授業の参考になります。http://www.ocec.jp/center/index.cfm/35,17115,279,html

C-② 各教科の学習を基に、プログラミングを通して表現したいものを表現する学習を展開する例(国語)

例示は国語の物語から好きな場面を選び、その場面のアニメーションを作成する授業があげられています。プログラミングによって登場人物が動いたり話したりすることで、登場人物の気持ちや条件を表現し、工夫を話し合うことが考えられます。前号でご紹介したB分類の事例①とは異なり、国語の教科のねらい達成にとらわれず、豊かな表現を楽しみます。

C-③ プログラミング言語やプログラミング技術の基礎についての学習を実施する例

キーボードを使った文字入力や、ファイルの操作など、直接は各教科等の学習として位置付けられてはいません。しかし、後の学習活動を円滑に進めるための学習活動として、学校の判断により時間を確保し、計画的に進められます。

各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立ち、学校の裁量で時間を確保し、プログラミング言語やプログラミングに関する基礎的な知識や技能の習得などを目的とし、プログラムを体験することも考えられます。

(初出「こどもプログラミング通信」第15号 2018年7月27日発行)