情報活用能力育成は、中学校・高等学校へも続く

2020年度から小学校は新学習指導要領の全面実施

いよいよ小学校のプログラミング教育実施まで、あと1年と少しとなってきました。出前授業の実施や子どもプログラミング通信を通してご理解されている通り、小学校の段階では、教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながら、プログラミングを体験することが重要です。

小学校では「プログラミング的思考」という論理的に考える力を育むために、一人で黙々とコンピュータに向かっているだけで授業が終わったり、子ども自身の生活や体験と切り離され抽象的な内容になったりしないよう、留意が必要とされています。

そして、この情報技術を手段として活用する力を含む、情報活用能力の育成は、小学校で終わりではなく、中学・高等学校へと続きます。これは、子どもたちの発達の段階に応じて「主体的・対話的で深い学び」のためにプログラミングを活用するという位置付けだからです。そのため現在の小学生は、中学生の時点で新しい教育課程に移行します。さらに、高等学校では全員が新課程となります。

※参考 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申) 平成28年12月21日 中央教育審議会

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

Sphero BOLT

以前このコーナーで紹介したロボットボール「Sphero SPRK+」のサイズや機能はそのままで、さらに改良された最上位モデル「Sphero BOLT」が発売されました。

BOLTには、新たに光とデジタルコンパスの2つのセンサーが追加されました。また、大きな変更点としては、LEDドットスクリーン、赤外線通信機能が追加された部分ではないでしょうか。

LEDドットスクリーンには、アニメーションや文字などが表示ができ、各種センサーの結果によって、ディスプレイの色や表示を変えるプログラムを組むこともできるようになりました。

赤外線通信機能では、複数台のBOLTと同時通信を行えるようになったので、別のBOLTから受信した命令に基づき動くようなプログラムを作成し、工夫次第で授業活用できる場面が増えるのではないでしょうか。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

プログラミング教育の手引(第二版)で追加された区分Bの事例

2018年11月に公開された「プログラミング教育の手引(第二版)」で新たに追加された実施実例を掲載していきます。今回は区分B「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導するなかで実施するもの」です。なお、区分A・Bは、いずれも「各教科等での学びをより確実なものとするための学習活動」としてプログラミングに取り組む位置付けです。

第一版の区分Bでは以下の2つが記載されていました。

  • B-① 様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面(音楽 第3~6学年)
  • B-② 課題について探求して分かったことなどを発表(プレゼンテーション)する学習場面(総合的な学習の時間)

第二版では、新たに「社会」と「家庭」で2つの実施事例が追加されています。具体的な授業の進め方は、未来の学びコンソーシアムのリンク先をご覧ください。

B-② 都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見付けるプログラムの活用を通して、その名称と位置を学習する場面(社会 第4学年)

コンピュータのプログラムと地図帳や白地図を同時に活用しながら、都道府県の特徴を組み合わせて都道府県を特定する活動を通して、47都道府県の名称と位置を、その特徴とともに理解できるようにします。

学習活動としては、例えば地図帳を活用し、都道府県の特徴を探し、プログラム上で3つ以上のブロック(特徴)を組み合わせて、示された都道府県の名称と位置を白地図に書き込む活動が考えられます。

このプログラムを応用し、第5学年の産業や国土の学習を通して獲得できる特徴や、第6学年の歴史や文化遺産に対しても活用が期待できます。

B-③ 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通して、炊飯について学習する場面(家庭 第6学年)

ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を行うことにより、炊飯の一連の手順について理解を深めるとともに、身近な生活にコンピュータ(プログラム)が活用されていることにも気づくことができるようにします。

学習活動としては、炊飯に関する一連の手順についてプログラミング体験を行い、ご飯がおいしく炊けたり炊けなかったりする原因について考え、話し合うなどの活動が考えられます。

この学習では、第5学年での鍋での炊飯の経験を生かし、一連の炊飯の手順が、自動炊飯器にどのようにプログラミングされているかに関心をもたせるのが重要です。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

Scratch(スクラッチ)バージョン3.0が公開されました

未来の学びコンソーシアムの事例を始めとした、ビジュアル・プログラミング環境として広く使われている Scratch のバージョン 3.0 が、2019年1月2日に公開・利用可能になりました。Scratch は MIT (マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発しているプログラミング言語環境です。

今回のバージョンアップは、新機能として、micro:bit への対応や、「音」の効果ブロック、「翻訳ブロック」などが追加されました。また、ブラウザで表示(https://scratch.mit.edu)するバージョンと、Windows と macOS に対応したデスクトップ版(インターネットに接続しなくても利用可能)も提供開始となりました。

今回から、インターネットに接続可能なブラウザを準備するだけでも利用できます。以前はブラウザで動作させるために、Flash と呼ばれるプラグインのインストールが必須でしたが、今後は不要です。また、タブレット端末からの利用もはじまりました(スマートフォンでは閲覧のみ)。

ただし、対応しているブラウザは、Google Chorome、Edge、Firefox、Safariのみです。インターネット・エクスプローラ(IE)は非対応となりましたので、注意が必要です。

なお、新しいバージョンが提供開始となりますが、以前のバージョン 1.4 および 2.0 は、デスクトップ版をダウンロードして継続して利用できます。また、3.0 で作成したものは、古いバージョンではご利用できません。古いものは今後数年間はサポート予定ですが、新しい 3.0 への移行が促されています。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)