デジタル教科書が紙の教科書と併用できるように

文部科学省から「学校教育法等の一部を改正する法律案」が発表されました。このなかで、必要に応じてデジタル教科書を紙の教科書に代えて使用できる記述が追加になります。

現行の学校教育法では、小学校・中学校・高等学校等の授業において、紙の教科書の使用義務が定められており、紙の教科書が給付されています。改正案では、平成32年度から実施の新学習指導要領を踏まえたものとして、次のような位置づけでの利用が可能になります。

  • 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改革のため
  • 障害等により教科書を使用しての学習が困難な児童生徒の学習上の支援のため

ただし、現行の紙の教科書とは「併用」する位置付けのため、引き続き紙の教科書での給付は続きます。なお、法律案では平成31年度4月1日からの施行を目指しています。

学校教育法等の一部を改正する法律案
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/1401720.htm

(初出「こどもプログラミング通信」第11号 2018年3月23日発行)

新学習指導要領のプログラミング教育を含むQ&Aが公開

小学校および中学校における新学習指導要領に対し、文部科学省から各教科ごとのQ&Aが公開されました。このなかで、小学校のプログラミングに関係する一部を要約してご紹介します。

質問:プログラミング教育の全面実施に向けて、どのような準備をすすめたらよいでしょうか?

回答:小学校では「プログラミング的思考」と呼ばれる論理的な思考力を育むことや、各教科等で学ぶ知識及び技術等を確実に身に付けさせるというねらいを踏まえ、教科における学習上の必要性や学習状況と関連付けながら、プログラミングを実施する教科・学年・単元を決定し、計画していくとともに、必要なICT環境を整えることや、教員自身が研修等でプログラミングを体験することも有意義と考えられます。

質問:小学校理科において、プログラミング教育を行う際の留意点はありますか?

回答:新小学校学習指導要領では「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」を計画的に実施することが示されています。

これを受け、理科では「児童の負担に配慮しつつ、例えば第2の各学年の内容の〔第6学年〕の「A物質・エネルギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など、与えた条件に応じて動作していることを考察し、更に条件を変えることにより、動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする」と規定があります。

※算数や総合的な学習の時間も例示があります。

質問:プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動は、総合的な学習の時間で必ず取り組まなければならないのでしょうか?

総合的な学習の時間のみならず、各教科の特質に応じて体験し、その意義を理解することが求められています。どの教科等で実施するかは、各学校が教育課程全体を見渡し、プログラミングを体験する単元を位置付ける学年や教科等を決定していく必要があります。

総合的な学習の時間で行う場合、プログラミング体験にとどまらず、自分たちの暮らしとプログラミングの関連性を考え、プログラミングを体験しながらよさや課題に気づき、現在や将来の自分の生活や生き方と繋げて考えることが必要です。

質問:「コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得する」活動における留意点を教えてください。

児童の発達段階や学習過程に応じて、情報手段の基本的な操作スキルの取得が望まれます。特にコンピュータで文字を入力するスキルは、将来にわたる学習活動や情報活用能力の基盤となるスキルと考えられ、確かな習得が望まれます

これら基本的な操作の習得に当たっては、自分にとって必然性のある探求的な学習の文脈の中で行われることが大切です。なぜなら、探求的な学習の文脈において習得した操作スキルは、他の学習活動や現実社会における探求的な学習においても容易的に活用することができ、主体的な情報手段の活用につながることが期待されるからです。

なお、コンピュータで文字を入力する際は、第3学年におけるローマ字の指導との関連が図られるように配慮する必要があります。

新学習指導要領(平成29年3月公示)Q&A
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/qa/1401386.htm

地理院地図(電子国土Web)

今回ご紹介するのは、国土地理院*が提供している、無料で利用できるweb地図サービスです。プログラミング教育と直接関係ありませんが、ICTを活用した授業として社会科の地域学習等に利用できそうですのでご紹介します。

3Dや色別標高表示などの機能がとても充実しており、おすすめなのが地図上にあらゆるデータを重ねて表示できる機能です。例えば、地形分類図と避難場所情報を重ねて安全な避難経路をみんなで考えてみたり、昔の航空写真と重ねて自分たちの住んでいる街の移り替わりや歴史を確認したりするのも面白いでしょう。

他にも「情報リスト」にはたくさんのデータが用意されています。一度、ご自身の目で見てみると、授業で生かせるヒントになるかもしれません。また、国土地理院では、地図の読み方・地図記号の話など、小学生~高校生向けの出前講座も行っていますので利用してみるのもいいかもしれません。

参考サイト:地理院地図(電子国土Web)

*国土地理院・・・国土交通省設置法及び測量法に基づいて測量行政を行う、国土交通省に置かれる特別の機関である(ウィキペディアより)

(初出「こどもプログラミング通信」第11号 2018年3月23日発行)

オープンソースカンファレンスで取り組みを紹介


さくらインターネット広報用twitterアカウントsakura_prより発表時の様子

OSC 2018 Tokyo/Spring で発表

オープンソースカンファレンス(以下OSC)はオープンソース*のソフトフェアやサービスを紹介するセミナーと展示会です。沖縄や北海道札幌市をはじめとし、全国で定期的に開催されています(主催:オープンソースカンファレンス実行委員会、企画運営:株式会社びぎねっと)。

今回は Tokyo/Spring が2月23日・24日と明星大学・日野キャンパス(東京都日野市)で開催されました。「[特別トラック]こどものプログラミング教育を考える2018」の枠組みで、さくらインターネットから、石狩市へのプログラミング教育支援の取り組みや背景をプロジェクトメンバーの前佛が紹介しました。

24日の発表の様子

参加者は30人程度で、教育関係者と見られる方が3分の2でした。コンピュータ系の技術者も参加したトラックのため、まずは、公教育におけるプログラミング教育は学習機会の提供が必要であるとし、体育の授業を例えに紹介。
そして、さくらインターネットのCSR(企業の社会的責任)活動として石狩市教育委員会・各小学校との取り組みを紹介。平成29年度の活動報告としては、出前授業の様子やプログラミング通信について会場と共有。それから学校以外の教育の場として、地域や技術系コミュニティも貢献できるのではと締めくくっています。

発表者座談会も開催

発表にさきがけ、1日目(23日)には前佛を含むトラック発表者や会場となった明星大学の先生を集めた座談会も開催されました。

座談会では、参加者がいずれもプログラミング教育に携わっていますが、一般的にはプログラミング教育に対する誤解が多いため(小学生でプログラミング言語を習得する等)、まずは共通認識をお互いに持つ必要があるという話になりました。

また、教育関係者およびエンジニアそれぞれの立場で意見を交わすことができました。特に、プログラミングを単なる道具として使うのではなく、身の回りの問題解決であったり、ゆくゆくは社会問題を解決するために、考え方なりプログラミングを活用できればという認識を共有できる、貴重な場ともなりました。

発表内容が記事になっています:

ASCII.jp:少年時代のプログラミング「ブランク」が今になって悔しい
http://ascii.jp/elem/000/001/640/1640606/

(初出「こどもプログラミング通信」第11号 2018年3月23日発行)