micro:bit(マイクロビット)

日本国内で子どもがプログラミングを行うためのコンピュータといえば、これまで紹介した IchigoJam(イチゴジャム)や、Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)のように、手のひらサイズのものが注目を集めています。今回紹介するのは、micro:bit (マイクロビット)です。これはイギリス公共放送 BBC による研究によるもので、誰でもプログラミングができるように目指して開発されました。現在は、シンガポールや米国などの教育機関でも採用実績があり、出荷台数は 100 万台を越えています。

micro:bit の特長は、プログラミングのしやすさと、拡張性・自由度の高さです。micro:bit 本体のプログラミングはブラウザを通してできるため、特別なパソコンやソフトウェアは不要です。Scratch(スクラッチ)を通してのプログラミングも可能ですし、ボタン操作で JavaScript(ジャバスクリプト)や Python(パイソン)のような本格的なプログラミング言語への切り替えにも対応しています。

また、LED ライトやロボットなどの拡張パーツとの連携もしやすく、micro:bit と接続するだけで、周辺パーツのプログラミングも容易に行えます。プログラミングに高い興味をもつ子どもたちに対して、自主的に学ぶ教材としても役立つことが期待できます。

参考サイト:http://microbit.org/ja/

(初出「こどもプログラミング通信」第10号 2018年2月27日発行)

教育の情報化の推進に関する調査研究成果報告書公開

2020年からの次期学習指導要領では、「情報活用能力」とは特定の教科で導入するのではなく、「教科等を越えた全ての学習の基盤となる資質・能力」として明確に位置付けられています。そこで、体系的な学習としてどのように取り組むべきか、文部科学省が推進校を全国から14校選定し、教育課程の編成や指導体制についての研究が行われ、その結果が発表されました。

様々な学校での取り組みに加え、具体的なカリキュラムとしてプレゼンテーションの導入など、様々な指導計画例も掲載されています。実際の授業に導入するために参考となる資料です。

参考サイト:情報通信技術を活用した教育振興事業「情報教育推進校(IE-School)」

(初出「こどもプログラミング通信」第10号 2018年2月27日発行)

「教育ICT担当者コミュニティサイト」がオープン

プログラミング教育のみならず、環境整備やソフトウェア等に関する情報が集約された新しいサイトがオープンしました(パナソニック教育財団および ICT CONNECT 21の共同研究)。「担当者」向けとあるように、学校の先生だけでなく、ICT 支援員や教育委員会も含む、それぞれの関係者にも役立つ情報がまとめられています。質問項目は複数の分野別にまとめられており、検索もできます。

ジャンルの中でも、特に「年間指導計画」や「研修計画」については、そろそろ次年度に向けた準備や計画が必要となる中で、具体的な項目に対する記述が参考になりそうです。

参考サイト:教育ICT担当者コミュニティサイト

千葉県柏市のプログラミング教育への取り組み

CSAJで柏市教育委員会「プログラミング教育」視察を実施

さくらインターネットも参加しているCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)プログラミング教育委員会では、1月26日、千葉県柏市の小学校へプログラミング教育の授業見学・意見交換を実施しました。柏市では昭和62年度からプログラミング教育を一部の学校で開始し、約30年もの活動実績があります。

柏市では情報リテラシー育成カリキュラムを設けており、プログラミングに限らず、コンピュータを使ったリテラシー向上のためのカリキュラムを制定しています(表1)。学年ごとに目標が定められており、どこまで学ぶべきかと達成すべき課題がまとめられています。小学校だけでなく、中学校にも至るまで、一貫した方向性が示されています。そして、柏市ではプログラミング的思考が情報リテラシーの1つであるという考えから、今年度(平成29年度)は市内の全小学校(42校)で、4年生を対象としたスクラッチを使ったプログラミング授業が取り入れられています。

理科の授業(6年生)で「電気を無駄なく使う方法」をプログラミングで学習

視察した理科の授業では、電気の性質とその利用が課題でした。節電の条件を学ぶために、明るさを取得できるセンサーとプログラミング(スクラッチ)を使いました。

節電をテーマとした授業の様子

授業では、まず二人一組で、無駄なく電気を使うためのアイディアを出し合います。そして、センサーが取得する明るさの変化に応じてプログラムに条件を与え(音や光の状態を変更)、結果としてライトを節電できる方法を学びます。また授業の最後では、ペアごとにプログラムの発表もありました。

はじめからプログラミングをするのが目的ではなく、あくまでも情報活用能力の拡大という点で、有効に活用されていました。

意見交換会と柏市の取り組み

柏市はカリキュラムを定めただけでなく、ICT支援員の増員や、カリキュラム充実のために企業や民間団体と連携した素案作りなどの取り組みを行っています。

また、授業はあくまで導入でしかないため、ほかにも、地域ボランティアとの連携や、地域でのイベント企画・開催や、プログラミングコンテストの実施などにも取り組んでいます(図1)。

より詳しいレポートは

小学校の現場からプログラミング教育の実態を知る~ in 千葉県柏市 | CSAJ 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

(初出「こどもプログラミング通信」第10号 2018年2月27日発行)