2019年9月「プログラミング教育推進月間」を全国的に実施

文部科学省、総務省、経済産業省では、2020年度からのプログラミング教育実施に向けた機運を高めるために、2019年の9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間(通称:みらプロ)」としました。これは期間中、全国の小学校にプログラミングの授業に取り組むよう呼びかけるものです。

実施にあたっては、総合的な学習の時間を想定し(2学期および3学期での利用を想定した約35時間) 、企業が提供するインターネット上のサービスや、さまざまな教材を活用した指導案が既に公開されています。

具体的には、地域の魅力を伝えるためのアプリ活用や、私達の生活と自動車の未来などが紹介されています。企業が提供する教材は4月15日まで募集が続いています。授業づくりや指導案の検討のために、参考になりそうです。

(初出「こどもプログラミング通信」第23号 2019年3月26日発行)

大分県教育委員会は、プログラミング教育指導案を公開

各地の教育委員会ではプログラミング教育の情報公開が始まっています。一部は第18号(平成30年10月29日)で紹介させていただきました。

大分県の教育委員会では「小学校プログラミング教育全体計画・年間指導計画(例)」を発表しました。WordとExcelのファイルが公開されており、プログラミングを使った教育計画の策定に役立つ内容と思われます。

全体計画では、プログラミング教育の目的を学校の教育目標と並べ、児童の実態や地域の実態、教師の願いなども整理できる便利なシートです。また、指導計画は各学年・各教科で整理されています。

(初出「こどもプログラミング通信」第23号 2019年3月26日発行)

プログラミング教育の手引(第二版)で追加された「C分類」の変更点について

2018年11月公開の「プログラミング教育の手引(第二版)」で新たに追加された実施実例紹介、今回はC分類です。第一版では「各学校の裁量により実施するもの」と説明がありましたが、第二版では「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」と改められています。

また、C分類の目的として、A分類とB分類とは異なり、各教科等に位置付けているものでないため、第二版では新たに説明が追記されています。特に単純にプログラミングを授業で行うという誤解を招かないように、各所で説明が追記されています。

《追記された説明》

C分類では、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気付き」やコンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることをなどをねらいとした上で、

  • グラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取り組み設定する
  • 各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎について学習する
  • 科等の学習と関連させた具体的な課題を設定する

こともでき、各学校の創意工夫を生かした取り組みが期待されます。

具体的な取り組み例として、追記・変更されているのは、以下の2点です。

C-① プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取組

第一版では「プログラミング言語を用いて」の記述が、第二版では「具体的には、ビジュアル型プログミング言語を用いて」と書き加えられています。

追記された説明には「プログラミングの体験を通して、コンピュータの画面上のモノがプログラムで動いていることに気付いたり、プログラミング的思考を育むとともに、プログラミングの楽しさや、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことにつながることが期待されます」とあります。

第一版にあった「プログラミングの体系的な知識や技術を学ぶことも考えられます」の項目は削除されました。

C-② 各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎についての学習を実施する例

第一版の説明は「C-③ プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎」のみでしたが、第二版では「学習活動の実施に先立って」が追記されています。

説明でも追記があり、「後に実施する単元等で使用する予定であるプログラミング言語やソフトウェアの操作」と、あくまでも深い学びや気付きのため、プログラミングで学ぶことが強調されています。

なお、未来の学びコンソーシアムでは、現在の実例として、特別支援学校・学級における授業例が複数掲載されています。

(初出「こどもプログラミング通信」第22号 2019年2月26日発行)

放送大学で小学校教員が対象の、プログラミング講座開講

2020年度からの学習指導要領改訂に向けて、放送大学は衛星放送とオンライン(インターネット)で受講可能な「プログラミング教育プラン」を2019年度に開講します。先生が個人単位で受講するだけでなく、教育委員会や学校単位での研修も想定されています。

開設講座は「小学校プログラミング教育 導入編」と「Scratchプログラミング指導法」です。

導入編では、新学習指導要領におけるプログラミングの考え方、先進的な取り組みを行う自治体や学校の紹介があります。オンラインで終了試験に合格すると、Scratchプログラミング指導法を受講できます。また、Scratchでは実際にプログラミングをしながら、授業での活用方法を学びます。

オンライン講座は年間を通して受講を受け付けます。手続き詳細や申し込み手続きについては、放送大学のサイトをご覧ください。

(初出「こどもプログラミング通信」第22号 2019年2月26日発行)

プログラミング教育の手引(第二版)で追加された区分Bの事例

2018年11月に公開された「プログラミング教育の手引(第二版)」で新たに追加された実施実例を掲載していきます。今回は区分B「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導するなかで実施するもの」です。なお、区分A・Bは、いずれも「各教科等での学びをより確実なものとするための学習活動」としてプログラミングに取り組む位置付けです。

第一版の区分Bでは以下の2つが記載されていました。

  • B-① 様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面(音楽 第3~6学年)
  • B-② 課題について探求して分かったことなどを発表(プレゼンテーション)する学習場面(総合的な学習の時間)

第二版では、新たに「社会」と「家庭」で2つの実施事例が追加されています。具体的な授業の進め方は、未来の学びコンソーシアムのリンク先をご覧ください。

B-② 都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見付けるプログラムの活用を通して、その名称と位置を学習する場面(社会 第4学年)

コンピュータのプログラムと地図帳や白地図を同時に活用しながら、都道府県の特徴を組み合わせて都道府県を特定する活動を通して、47都道府県の名称と位置を、その特徴とともに理解できるようにします。

学習活動としては、例えば地図帳を活用し、都道府県の特徴を探し、プログラム上で3つ以上のブロック(特徴)を組み合わせて、示された都道府県の名称と位置を白地図に書き込む活動が考えられます。

このプログラムを応用し、第5学年の産業や国土の学習を通して獲得できる特徴や、第6学年の歴史や文化遺産に対しても活用が期待できます。

B-③ 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通して、炊飯について学習する場面(家庭 第6学年)

ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を行うことにより、炊飯の一連の手順について理解を深めるとともに、身近な生活にコンピュータ(プログラム)が活用されていることにも気づくことができるようにします。

学習活動としては、炊飯に関する一連の手順についてプログラミング体験を行い、ご飯がおいしく炊けたり炊けなかったりする原因について考え、話し合うなどの活動が考えられます。

この学習では、第5学年での鍋での炊飯の経験を生かし、一連の炊飯の手順が、自動炊飯器にどのようにプログラミングされているかに関心をもたせるのが重要です。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

プログラミング教育の手引(第二版)追加の事例 A区分

文部科学省から2018年11月に、先生方を対象とした「プログラミング教育の手引(第二版)」が公開されました。改定内容の概要は、前月のこどもプログラミング通信第19号(2018年11月発行)をご覧ください。このコーナーでは、新たに追加された実施実例と未来の学びコンソーシアムの事例を掲載していきます。今回は、区分A「学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの」です。

第一版では以下の3つが記載されていました。

  • A-① プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく画面(算数 第5学年)
  • A-② 身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する場面(理解 第6学年)
  • A-③ 「情報化の進展と生活や社会の変化」を研究課題として学習する画面(総合的な学習の時間)

第二版の改定では、新たに「総合的な学習の時間」として以下2つの実施事例が追加されています。具体的な授業の進め方は、未来の学びコンソーシアムのリンク先をご覧ください。

A-④ 「まちの魅力と情報技術」を研究課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

身近な生活にプログラミングが活用されていることや、そのよさについて、プログラミングを通して気付くとともに、この体験をよりどころとして、情報に関する探求を進めていきます。

単元では、観光客がまちの魅力に触れてもらうために魅力を考え、プログラミングを活用した情報発信の方法を考えます。それから、実際に駅に設置したり、商業施設や駅担当者へのインタビューを行い、魅力あるまちづくりに寄与できることをまとめ、発表します。

単元例:地域をつなぐ情報と私たち(情報)
学 年:小学校3~6年生

A-⑤ 「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探求課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

プログラミングを通して、情報技術の仕組みを理解し、ものづくりのよさを知るとともに、ものづくりを支える人との関わりからものづくりの魅力や自分らしい生活についての考えを深めていきます。

単元では、社会科の自動車工場の見学を振り返り、産業用ロボットの活用を踏まえ、プログラムで命令できれば同じ原理の車ができることに気付きます。それから自分たちで自動車や生活を豊かにするものに視点を拡げ、ものづくりや生き方をまとめて発表します。

単元例:ものづくりと生活の豊かさ(ものづくり)
学 年:小学校5、6年生

(初出「こどもプログラミング通信」第20号 2018年12月20日発行)

「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」に掲載の、授業実施事例が拡充

文部科学省・総務省・経済産業省が運営している、未来の学びコンソーシアムは、プログラミング教育ポータルとして事例や教材情報の発信を続けています。先日改定された、プログラミング教育の手引(第二版)において「指導例の具体的な実践事例の発信」を行う場との位置づけが明確になりました。区分A~Fに分類された実施例は、次年度に向けた今後のカリキュラム検討にあたって参考になります。

(初出「こどもプログラミング通信」第20号 2018年12月20日発行)

小学校プログラミング教育の手引(第二版)が改訂

2020年度から始まる小学校におけるプログラミング教育導入にあたり、2018年3月に文部科学省から「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」が公開されていましたが、11月に内容の補足を盛り込んだ第二版が公開されました。

「小学校プログラミング教育の手引」とは

プログラミング教育の本格的な開始に向けて、先生方が抱いている不安を解消し、安心して取り組んでいただけるように文部科学省が取りまとめたものです。プログラミングに関する専門用語をできる限り用いず、教育内容を具体的かつ分かりやすく解説しています。

内容はプログラミング教育導入の経緯から始まり、小学校で育むプログラミング教育について網羅的な解説があります。各教科の目標や内容を踏まえた具体例にまで丁寧に言及があるため、学習指導要領をより具体的に補足する内容として、授業の実施や計画にあたって目を通しておくべき資料と言えるでしょう。

なお、手引の内容については、教材の充実や各学校における実践の充実を踏まえ、適時改定を重ねる予定との記述があります。

以下に、第二版での主な変更点をご紹介します。

「プログラミング教育ポータル」に教育事例

プログラミング教育の指導例や実践実例は、官民連携の「未来の学びコンソーシアム」が運営する、プログラミング教育事例が掲載されているウェブサイト「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」(https://miraino-manabi.jp)を通して行われることが記されました。授業作りにあたっては、手引だけでなく、教育ポータルも参考になる位置づけです。

C区分の役割は教育課程内での実施と明確化

学習指導要領の範囲内で実施する区分A・区分Bに比べ、区分Cは「各学校の裁量により実施するもの(教育課程内で実施するもの)」という位置付けでした。第二版では「裁量により」の記述は削除され「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」との記述が新たに追加されました。

C分類のねらいと取り組みへの期待

第二版では、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気付き」やコンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることなどをねらいとした上で、以下のような取り組みが期待されています。

  • プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材を設定する
  • 各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎について学習する
  • 各教科等の学習と関連させて具体的な課題を設定する

評価についても「教育課程内で各教科等とは別に実施する場合は、教科等の評価規準により評価したり、評定をしたりすることはありませんが、それ以外は前述と同様に児童を見取り、その評価を適切に伝えるなどすることが望ましいと考えられます。」の記述が追加されました(21頁)。

学習指導要領範囲内での指導例が一部変更・追加

学習指導要領の範囲内である区分A(例示あり)と区分B(各教科等の指導で実施)で、細かな記述が変更になったほか、それぞれ新しい指導例が追加されました。

A-④ 「まちの魅力と情報技術」を研究課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

まちの魅力を発信するタッチパネル式の案内表示にプログラミングを取り入れるのを考え、見せ方を試行錯誤する。

A-⑤ 「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探求課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

例えば、自動車工場にある先端の情報技術につて意見交換するなかで、自分が作ってみたい自動車を課題として設定。衝突を防止するセンサーのプログラミングなど。

B-② 都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見つけるプログラムの活用を通して、その名称と一を学習する場面(社会第4学年)

47都道府県の特徴が記されたブロックを組み合わせることで、ブロックの特徴に合致した都道府県の名称と位置を示すプログラムを使用。地図上で理解するよりも思考を伴う学習活動

B-③ 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通して、炊飯について学習する場面(家庭第6学年)

ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を通して、炊飯の一連の手順について理解を深めるとともに、身近な生活にコンピュータ(プログラム)があるのに気づく。

このほかの変更点も含め、具体的な例示については、次回以降のこどもプログラミング通信を通してお伝えします。また、第二版は文部科学省のページからご覧いただけます。

関連情報

(初出「こどもプログラミング通信」第19号 2018年11月27日発行)

「小学校プログラミング教育導入支援ハンドブック2018」発行

プログラミング教育をすべての小学校、すべての先生が実施できることを目指して作成されたハンドブックが公開されています。教員研修を担当する方や教育委員会事務局の方向けですが、一般の先生方も対象です。

内容は、小学校プログラミング教育の手引(第一版)について、導入のヒント、小学校における授業導入の事例集、教材集、用語集で構成されてい
ます。

ICT CONNECT 21 https://ictconnect21.jp/news_180712_003/

(初出「こどもプログラミング通信」第18号 2018年10月29日発行)

ネットワークビギナーのための情報セキュリティハンドブック

サイバーセキュリティに関する基本的な知識を学ぶことを目的として、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が作成した初心者向けのハンドブックが公開されています。全160ページ。

URLからダウンロードできるだけでなく、iOSアプリ版(iPhone)、Androidアプリ版、製本用印刷データなどが無料で配布されています。

NISC 内閣サイバーセキュリティセンター http://www.nisc.go.jp/security-site/handbook/

(初出「こどもプログラミング通信」第18号 2018年10月29日発行)