子どもたち自身も知りたいプログラミング教育

花川中学校・樽川中学校の生徒から取材

さくらインターネット株式会社は、石狩市内の中学校から小学校で始まるプログラミング教育に対する取材を受けました。花川中学校、樽川中学校の生徒たちからの質問に、本プロジェクトの朝倉が回答。それぞれ壁新聞のテーマでプログラミング教育を扱っていただきました。

記事では、既に小中学校でプログラミング教育が始まっていることや、情報活用能力を高めることが目標であるなど、時代の変化に伴って自らの学ぶ内容も変わっていくことの気づきなどが述べられています。是非ごらんください。

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9月は「未来の学びプログラミング教育推進月間」

全国の小学校にプログラミング教育を呼びかけ

文部科学省、総務省、経済産業省は、小学校プログラミング教育の実施・推進を呼びかける「未来の学び プログラミング教育推進月間(みらプロ)」を9月に実施すると設定しました。これは、全国の小学校にプログラミング教育に取り組むように呼びかけるものです。

実施にあたっては、企業と連携した総合的な学習の時間の指導案(プログミング体験を含む・約35時間)が用意されています。企業における最先端の取り組みを知り、プログラミング体験で理解を含め、児童が各自の課題に探求的に取り組める課題を支援するためのものです。

既に企業訪問や講師派遣の受付等は終了していますが、教材に関する情報や、指導案(学習指導計画例)、授業に関する動画の情報などが豊富に掲載されています。

授業に向けての指導案は18例が公開されています。どれも、身近な生活とコンピュータが深く結びついていることに関連しています。プログラミング体験についての記述も事例が多く掲載されていることから、普段の授業で深い学びにつながるプログラミング教育を計画するための参考になるものと思われます。

取り組みの詳細、指導例については、未来の学びコンソーシアムの特集ページをご覧ください。

視察した授業の様子が放送(インターネット配信)

石狩市教育委員会と紅南小学校長坂先生が視察した授業(横須賀市浦賀小学校)の様子が、「みらプロ」の事例として8月25日にテレビ放送されます。

こちらの放送は、後日、政府インターネットテレビでもアップロード予定ですので、あわせてご覧ください。

(「こどもプログラミング通信」第28号 2019年8月26日発行より)

STEM・STEAM 教育と、みらいの教室

「STEM教育」や「STEAM教育」とは?

プログラミング教育について調べると「STEM」や「STEAM」といったキーワードを時折目にすることがないでしょうか。学校における先生方だけでなく、おそらく保護者や一般の方でも同様でしょう。STEM(ステム)の定義は

  • 科学( Science )
  • 技術( Technology )
  • 工学( Engineering )
  • 数学( Mathematics )

これら4つの分野の頭文字を表す言葉です。これらに加えて

  • 芸術( Art )

を合わせたものが STEAM(スティーム)と呼び、各要素を組み合わせる教育スタイルや学習方式が STEAM 教育です。

STEMの概念は2000年代初等にアメリカで議論がはじまりました。いわゆるIT(情報通信技術)が進歩する一方で、これら要素を統合的に学ぶカリキュラムが学校に存在せず、また多くの一般人も継続的に学ぶ必要性が求められ続けているからです。

STEMは「21世紀の創造、変革、問題解決に必要な力」として、アメリカでは2013年に重要な国家戦略となりました。近年では、オーストラリア、カナダ、ベトナム、中国、香港でも行政機関による取り組みが進みつつあります。

STEAMはSTEM教育の中心に「芸術」と「デザイン(設計)」をおいたものです。これらは単なるプログラミング教育ではなく、社会における問題解決のために行うものであり、創造性と密接に結びつくものという考え方に基づいています。

近年の日本国内では、政策ビジョンとして「Society 5.0に向けた人材育成」が提唱されています。AI技術の発達により、私たちの生活や経済、社会そのものが変わると言われています。新たな社会を牽引する人材育成のため、文部科学省・経済産業省・総務省が様々な実証実験や事業支援に取り組んでいるのが現状です。文系・理系の垣根を無くす教育という意味でも使われています。

これらの動きによって、今すぐ授業内容や学校が変わるわけではありません。しかし動向を把握しておくことで、総合的な授業でのプログラミング教育実施だけでなく、どのような場面でプログラミングを授業に取り入れるかの参考になるものと思われます。

「未来の教室 Learning Innovation」

未来の教室とは経済産業省の実証事業であり、EdTech(教育にコンピュータなどの技術を取り入れること)や個別最適化、文理融合、社会課題解決をキーワードにした、新しい学習プログラムの開発・実証を2018年から進めています。実証事業は全国各地で進められています。

このプロジェクトにおける事例などの取り組みが、ポータルサイト上で公開されています。小学校の事例としては、音楽・算数・プログラミングの横断学習なども紹介されています。

STEM・STEAM参考資料

(「こどもプログラミング通信」第27号 2019年7月22日発行より)

情報活用能力育成は、中学校・高等学校へも続く

2020年度から小学校は新学習指導要領の全面実施

いよいよ小学校のプログラミング教育実施まで、あと1年と少しとなってきました。出前授業の実施や子どもプログラミング通信を通してご理解されている通り、小学校の段階では、教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながら、プログラミングを体験することが重要です。

小学校では「プログラミング的思考」という論理的に考える力を育むために、一人で黙々とコンピュータに向かっているだけで授業が終わったり、子ども自身の生活や体験と切り離され抽象的な内容になったりしないよう、留意が必要とされています。

そして、この情報技術を手段として活用する力を含む、情報活用能力の育成は、小学校で終わりではなく、中学・高等学校へと続きます。これは、子どもたちの発達の段階に応じて「主体的・対話的で深い学び」のためにプログラミングを活用するという位置付けだからです。そのため現在の小学生は、中学生の時点で新しい教育課程に移行します。さらに、高等学校では全員が新課程となります。

※参考 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申) 平成28年12月21日 中央教育審議会

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

Scratch(スクラッチ)バージョン3.0が公開されました

未来の学びコンソーシアムの事例を始めとした、ビジュアル・プログラミング環境として広く使われている Scratch のバージョン 3.0 が、2019年1月2日に公開・利用可能になりました。Scratch は MIT (マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発しているプログラミング言語環境です。

今回のバージョンアップは、新機能として、micro:bit への対応や、「音」の効果ブロック、「翻訳ブロック」などが追加されました。また、ブラウザで表示(https://scratch.mit.edu)するバージョンと、Windows と macOS に対応したデスクトップ版(インターネットに接続しなくても利用可能)も提供開始となりました。

今回から、インターネットに接続可能なブラウザを準備するだけでも利用できます。以前はブラウザで動作させるために、Flash と呼ばれるプラグインのインストールが必須でしたが、今後は不要です。また、タブレット端末からの利用もはじまりました(スマートフォンでは閲覧のみ)。

ただし、対応しているブラウザは、Google Chorome、Edge、Firefox、Safariのみです。インターネット・エクスプローラ(IE)は非対応となりましたので、注意が必要です。

なお、新しいバージョンが提供開始となりますが、以前のバージョン 1.4 および 2.0 は、デスクトップ版をダウンロードして継続して利用できます。また、3.0 で作成したものは、古いバージョンではご利用できません。古いものは今後数年間はサポート予定ですが、新しい 3.0 への移行が促されています。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

小学校での授業を想定した学習指導案が公開

2020年からの学習指導要領改定を前にして、インターネット上では企業や団体により、実際の授業にプログラミング教育の導入を想定した学習指導案が公開されはじめています。学習指導要領の範囲内の授業において、どのようにしてプログラミングを取り入れていくのか、参考になるサイトを紹介します。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル

実施実例では、学習活動の分類A~Eにわけて様々な実施実例、学習指導計画、ワークシートが配布されています。

プロカリ


掲載の事例はどれも実際に行われた授業のもの。教科のねらいと、プログラミング的思考の育成が関連付けられたものが厳選。学年や教科ごとに分かれている指導案やワークシートも配布されています。また、情報教育の年間計画も公開されています。

プログラミング教育実践ガイド

Computer Science for All(NPO法人CANVAS主催の団体)による授業例や、学習の流れを紹介しています。また、学習指導要領の範囲外も含む様々な取り組みも紹介されています。

プロアンズ

ベネッセが公開しているサイトで、パソコンやタブレットを使った指導案が多く掲載されています。教科のねらいとプログラミングのねらいの両方が記載されています。

その他自治体

(初出「こどもプログラミング通信」第18号 2018年10月29日発行)

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第5弾)

E・F分類は教育課程外のプログラミング学習機会

教育課程外における分類として、学校を会場とするE分類と、学校を会場としないF分類があります。地域や企業・団体等において学習機会が用意されるものであり、児童の興味・関心等に応じて提供されることが期待されています。

小学校プログラミング教育の手引では、学校の役割としては、「児童の興味や関心を踏まえて、学習機会を適切に紹介するなど、相互の連携・協力を強化することが望まれます。」とあります。

あわせて手引では、教育委員会が主導し、企業・団体や地域等の人々と連携し、協力を得ている例が7つ掲載されています。

  1. 企業等との連携
  2. 企業等の社会貢献プログラムへの参加
  3. ICT支援員等の活用
  4. 市民ボランティア等の活用
  5. 大学等との連携
  6. NPO等との連携
  7. 学校放送番組の活用

いずれもカリキュラム・マネジメントとして外部の人的・物的資源の活用であり、学校としての取り組みや、教育委員会による支援も重要とあります。

「未来の学びコンソーシアム」に分類別の事例が掲載

各分類に応じた、実際の授業や取り組み事例に関する情報が続々と掲載されています。また、教材情報も充実してきていますので、指導や授業における計画作りの参考になります。

参考サイト:小学校を中心としたプログラミング教育ポータルPowered by 未来の学びコンソーシアム

(初出「こどもプログラミング通信」第17号 2018年9月28日発行)

第2回小学校プログラミング教育を考える夕べを開催

7月18日に「第2回小学校プログラミング教育を考える夕べ」をわくわくホリデーホール(札幌市)で開催いたしました。今回の企画は札幌出身の東京都内在住の小学校教員が中心になって実施しました(主催:さくらインターネット株式会社、後援:札幌市教育委員会、協力:一般社団法人LOCAL)。

プログラムは3部構成。第1部の「プログラミング教育とは?」では、情報通信総合研究所の平井聡一郎氏による講演・模擬授業がありました。第2部は教材体験としてのワークショップの後、各ブースを通して算数、図工、国語を対象としたプログラミング教材に触れ、第3部ではプログラミング教育の実践報告がありました。

当日は教職員の方を中心に、札幌市のみならず遠方からもご参加いただきました。プログラミング教育の実践にはハードルが高いように思われるかもしれませんが、今回の模擬授業や教材の体験を通して、先生自身でプログラミングについて身近に感じられる機会を設けられました。ご参加およびイベントのご紹介・周知へのご協力ありがとうございました。

(初出「こどもプログラミング通信」第16号 2018年8月28日発行)

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第4弾)

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、これまでA~Cの各分類を紹介してきました。今回は教育課程内でのD分類を紹介します。

D分類は教育課程内ありながら、クラブ活動など、特定の児童を対象に実施するもの

前回のC分類は、教育課程での実施、つまり、授業の一環として学校の裁量で実施するものでした。D分類も同じく学校における教育課程内です。しかし、すべての児童が対象ではなく、クラブ活動など、特定の児童を対象としている違いがあります。

児童が協力してプログラムを作成できるようにするためには、学校の創意工夫によって、コンピュータクラブやプログラミングクラブを設けるとあります。また、他の分類とは異なり、教育課程外でのプログラミング機会(E分類・F分類)でプログラミングに関する知識を持つ児童が、苦手な児童に対するサポートの役割を持たせることも書かれています。

例示では、特定の言語環境や教材については示されておらず、

  • 児童の発達の段階
  • プログラミングの経験
  • 作成しようとするものが何か

に応じて適切なものを選択する必要があります。また、漠然とプログラムに取り組むのではなく、発表会を設けたり、プログラミング・コンテストへの参加を促すなども書かれています。

D-① オリジナルアニメーションを作ろう

例示では動的なコンテンツの作成として、キャラクタ等の動きの制御だけでなく、画像や音声についても、自分で作成したいという意欲のある児童が想定されます。

D-② 家で使える便利な機械を考えよう

例示は各教科の学習の中でつくるよりも更に自由な発想で、様々な機械のモデルとそれを制御するプログラムを作成したいという意欲を持つことが想定されます。

これまでにご紹介したプログラミング教育の教材を、児童の段階や興味や用途で使い分けていくことも考えられます。

(初出「こどもプログラミング通信」第16号 2018年8月28日発行)

実施実例:物語を考え、アニメーションをプログラミングする

C分類:各学校の裁量で実施するもの(A,B及びD以外で、教育課程内で実施するもの)

プログラミング教育の手引、C分類の例示に、「例えば、国語科において物語を読む学習をした後、学校の裁量で時間を確保し、物語の中から好きな場面を選び、その場面のアニメーションを作成することなどが考えられます。」とあります。

B分類は、同じデジタル紙芝居作成の内容でも、教科書に載っている文章が主な題材となるでしょう。また、前号で取り上げた事例①の場合「『しかけ』の意味が分かってそれを認識できているか」など、教科のねらいの達成や、それをより深く理解できたかが求められます。

C分類の場合、教科のねらいだけにとらわれずプログラミングでいろいろな授業をつなげ、教科横断で表現や考えを深める授業が期待されます。
例:

  • 絵を描いてアニメーションに取り込む→「図工」
  • 登場人物の気持ちや情景を文章から読み取る→「国語」
  • 効果音、BGMの選択や、実際の演奏をアニメーションに取り込む→「音楽」

神奈川県相模原市立大野小学校の2年生を対象とした公開授業では、物語を作る授業の最後で、物語をアニメーションで作り、感想を伝える例が紹介されています。

プログラミング教材「ビスケット」を使ってプログラミングでアニメーションを作るだけでなく、作った後に理由を聞くことで、
論理的に考えることや文章化することを取り入れています。

ビスケットは画面を通して作業できるプログラミング言語であり、スクラッチと同じくビジュアルプログラミング言語と呼ばれます。スマートフォンやパソコンのブラウザから、簡単に導入できます

参考サイト:Viscuit ビスケット

(初出「こどもプログラミング通信」第15号 2018年7月27日発行)