1人1台で豊かな学びへ!新冠町の「1人1台PC持ち帰りテスト」をレポート

今回は、すでに1人1台のPC納入が完了し、貸与されたPCを持ち帰って家庭から接続するテストを実施した新冠町の取り組みについて、ご紹介します。
町内3つの小中学校それぞれで、各学校ごとの状況に合わせ、対象者や期間を決めて実施しました。
新冠中学校では、学年を問わず全員が学校のPCを家に持ち帰り、その日の夕方各自が家庭からTeams(チームズ)にログイン、指定された投稿先にコメントを入れたり、招待されたTV会議に参加したりしながら、家庭でスムーズにオンラインでのコミュニケーションができるかどうかをテストしました。

モニターを前に、生徒全員が参加できているかどうかをチェックする新冠中学校の先生

事前にTeamsの使い方などは、学校で学んでいた生徒たちですが、家庭ではWifiの接続なども含めて自分の力で対応する必要があります。
画面に映った友達同士で協力し合い、みんながつながるようコミュニーケーションを取り合う姿も見られました。
校長先生から伝えられた「大切にしているものを見せて!」というお題に対し、生徒それぞれが大切なものを画面に映し、楽しそうに見せあっている様子がうかがえます。
新冠中学校では、PCの取り扱いについて、目的などを十分生徒に伝えた上で、テストの後冬休み中は各家庭で学習に使ってもらうとのことです。

「大切にしているものを見せて!」というお題で楽しくコミュニケーション
マイクがOFFになっている友達に、ホワイトボードを使って伝える生徒も

このテストを中心となって企画し、準備を進めてきた、新冠中学校の大光先生にお話を伺いました。

新冠中学校では、パソコン導入後すぐに学校祭の活動で使用し始めました。また授業での普段使いを目指し、ICT担当教諭が先行して様々な試みをしてきました。授業開始5分間はタイピング練習&エクセルで作成した表に入力。Formsで作成した課題を生徒に配布・入力・リアルタイム集計・フィードバックなど、生徒の興味関心が高まると共に、教師側の仕事の効率化の期待も高まりました。今後、様々な課題把握と解決を繰り返しながら、新冠スタイルを作り上げていけたらと思っています。

実際に1人1台のPCを使ってみて、生徒の興味関心や、教師の仕事の効率化に早くも期待が高まっているとのこと。 今後新冠町から、新たな活用事例が生まれるのが楽しみです。

micro:bit のバージョンアップについて

第42号にて、micro:bit教育財団がmicro:bitの新しいハードウェア(micro:bit v2)を発表したことをお伝えしました。日本での販売開始は、2020年11月下旬~12月上旬を予定。販売価格は2,000円+税、据え置き(スイッチエデュケーション販売価格)とお伝えしておりましたが、2020年11月25日に2,000円+税で発売されました。
第43号でもお伝えしましたが、 micro:bit v2のレビュー記事がいくつか公開されています。
また、現行バージョンのmicro:bitも引き続き問題なく継続利用できますのでその点はご安心ください。

micro:bit のバージョンアップについて
https://switch-education.com/2020/10/13/

micro:bit v2.0 のスピーカーを使ってみた
https://blog.switch-education.com/entry/2020/10/26/v2-speaker

micro:bit v2.0 のマイクを使ってみた
https://blog.switch-education.com/entry/2020/11/05/v2-mic

新型コロナウイルス感染拡大に伴う文部科学省の動き等について

新型コロナウイルス感染症が社会に与える影響は大きく、長期的な対応が求められますが、文部科学省では、そんな中でも児童生徒等の教育を受ける権利を保障していくために、学校における感染およびその拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続していく必要があるとし、そのための学校運営の指針としてガイドラインを公開しています。

「平常時における一律の各種ICT活用ルールにとらわれることなくあらゆる機器や環境を最大限活用すること(学校の設備類はもちろん家庭の設備類についても一時的であれ使えるものは全部使う)」「できることから、できる人から。一律にやる必要はない」など、これまでにない柔軟な取り組みが求められています。

[参考動画]学校の情報環境整備に関する説明会

[参考動画]オンライン教育のためのオンライン全国セミナー

子どもたち自身も知りたいプログラミング教育

花川中学校・樽川中学校の生徒から取材

さくらインターネット株式会社は、石狩市内の中学校から小学校で始まるプログラミング教育に対する取材を受けました。花川中学校、樽川中学校の生徒たちからの質問に、本プロジェクトの朝倉が回答。それぞれ壁新聞のテーマでプログラミング教育を扱っていただきました。

記事では、既に小中学校でプログラミング教育が始まっていることや、情報活用能力を高めることが目標であるなど、時代の変化に伴って自らの学ぶ内容も変わっていくことの気づきなどが述べられています。是非ごらんください。

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9月は「未来の学びプログラミング教育推進月間」

全国の小学校にプログラミング教育を呼びかけ

文部科学省、総務省、経済産業省は、小学校プログラミング教育の実施・推進を呼びかける「未来の学び プログラミング教育推進月間(みらプロ)」を9月に実施すると設定しました。これは、全国の小学校にプログラミング教育に取り組むように呼びかけるものです。

実施にあたっては、企業と連携した総合的な学習の時間の指導案(プログミング体験を含む・約35時間)が用意されています。企業における最先端の取り組みを知り、プログラミング体験で理解を含め、児童が各自の課題に探求的に取り組める課題を支援するためのものです。

既に企業訪問や講師派遣の受付等は終了していますが、教材に関する情報や、指導案(学習指導計画例)、授業に関する動画の情報などが豊富に掲載されています。

授業に向けての指導案は18例が公開されています。どれも、身近な生活とコンピュータが深く結びついていることに関連しています。プログラミング体験についての記述も事例が多く掲載されていることから、普段の授業で深い学びにつながるプログラミング教育を計画するための参考になるものと思われます。

取り組みの詳細、指導例については、未来の学びコンソーシアムの特集ページをご覧ください。

視察した授業の様子が放送(インターネット配信)

石狩市教育委員会と紅南小学校長坂先生が視察した授業(横須賀市浦賀小学校)の様子が、「みらプロ」の事例として8月25日にテレビ放送されます。

こちらの放送は、後日、政府インターネットテレビでもアップロード予定ですので、あわせてご覧ください。

(「こどもプログラミング通信」第28号 2019年8月26日発行より)

STEM・STEAM 教育と、みらいの教室

「STEM教育」や「STEAM教育」とは?

プログラミング教育について調べると「STEM」や「STEAM」といったキーワードを時折目にすることがないでしょうか。学校における先生方だけでなく、おそらく保護者や一般の方でも同様でしょう。STEM(ステム)の定義は

  • 科学( Science )
  • 技術( Technology )
  • 工学( Engineering )
  • 数学( Mathematics )

これら4つの分野の頭文字を表す言葉です。これらに加えて

  • 芸術( Art )

を合わせたものが STEAM(スティーム)と呼び、各要素を組み合わせる教育スタイルや学習方式が STEAM 教育です。

STEMの概念は2000年代初等にアメリカで議論がはじまりました。いわゆるIT(情報通信技術)が進歩する一方で、これら要素を統合的に学ぶカリキュラムが学校に存在せず、また多くの一般人も継続的に学ぶ必要性が求められ続けているからです。

STEMは「21世紀の創造、変革、問題解決に必要な力」として、アメリカでは2013年に重要な国家戦略となりました。近年では、オーストラリア、カナダ、ベトナム、中国、香港でも行政機関による取り組みが進みつつあります。

STEAMはSTEM教育の中心に「芸術」と「デザイン(設計)」をおいたものです。これらは単なるプログラミング教育ではなく、社会における問題解決のために行うものであり、創造性と密接に結びつくものという考え方に基づいています。

近年の日本国内では、政策ビジョンとして「Society 5.0に向けた人材育成」が提唱されています。AI技術の発達により、私たちの生活や経済、社会そのものが変わると言われています。新たな社会を牽引する人材育成のため、文部科学省・経済産業省・総務省が様々な実証実験や事業支援に取り組んでいるのが現状です。文系・理系の垣根を無くす教育という意味でも使われています。

これらの動きによって、今すぐ授業内容や学校が変わるわけではありません。しかし動向を把握しておくことで、総合的な授業でのプログラミング教育実施だけでなく、どのような場面でプログラミングを授業に取り入れるかの参考になるものと思われます。

「未来の教室 Learning Innovation」

未来の教室とは経済産業省の実証事業であり、EdTech(教育にコンピュータなどの技術を取り入れること)や個別最適化、文理融合、社会課題解決をキーワードにした、新しい学習プログラムの開発・実証を2018年から進めています。実証事業は全国各地で進められています。

このプロジェクトにおける事例などの取り組みが、ポータルサイト上で公開されています。小学校の事例としては、音楽・算数・プログラミングの横断学習なども紹介されています。

STEM・STEAM参考資料

(「こどもプログラミング通信」第27号 2019年7月22日発行より)

情報活用能力育成は、中学校・高等学校へも続く

2020年度から小学校は新学習指導要領の全面実施

いよいよ小学校のプログラミング教育実施まで、あと1年と少しとなってきました。出前授業の実施や子どもプログラミング通信を通してご理解されている通り、小学校の段階では、教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながら、プログラミングを体験することが重要です。

小学校では「プログラミング的思考」という論理的に考える力を育むために、一人で黙々とコンピュータに向かっているだけで授業が終わったり、子ども自身の生活や体験と切り離され抽象的な内容になったりしないよう、留意が必要とされています。

そして、この情報技術を手段として活用する力を含む、情報活用能力の育成は、小学校で終わりではなく、中学・高等学校へと続きます。これは、子どもたちの発達の段階に応じて「主体的・対話的で深い学び」のためにプログラミングを活用するという位置付けだからです。そのため現在の小学生は、中学生の時点で新しい教育課程に移行します。さらに、高等学校では全員が新課程となります。

※参考 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申) 平成28年12月21日 中央教育審議会

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

Scratch(スクラッチ)バージョン3.0が公開されました

未来の学びコンソーシアムの事例を始めとした、ビジュアル・プログラミング環境として広く使われている Scratch のバージョン 3.0 が、2019年1月2日に公開・利用可能になりました。Scratch は MIT (マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発しているプログラミング言語環境です。

今回のバージョンアップは、新機能として、micro:bit への対応や、「音」の効果ブロック、「翻訳ブロック」などが追加されました。また、ブラウザで表示(https://scratch.mit.edu)するバージョンと、Windows と macOS に対応したデスクトップ版(インターネットに接続しなくても利用可能)も提供開始となりました。

今回から、インターネットに接続可能なブラウザを準備するだけでも利用できます。以前はブラウザで動作させるために、Flash と呼ばれるプラグインのインストールが必須でしたが、今後は不要です。また、タブレット端末からの利用もはじまりました(スマートフォンでは閲覧のみ)。

ただし、対応しているブラウザは、Google Chorome、Edge、Firefox、Safariのみです。インターネット・エクスプローラ(IE)は非対応となりましたので、注意が必要です。

なお、新しいバージョンが提供開始となりますが、以前のバージョン 1.4 および 2.0 は、デスクトップ版をダウンロードして継続して利用できます。また、3.0 で作成したものは、古いバージョンではご利用できません。古いものは今後数年間はサポート予定ですが、新しい 3.0 への移行が促されています。

(初出「こどもプログラミング通信」第21号 2019年1月29日発行)

小学校での授業を想定した学習指導案が公開

2020年からの学習指導要領改定を前にして、インターネット上では企業や団体により、実際の授業にプログラミング教育の導入を想定した学習指導案が公開されはじめています。学習指導要領の範囲内の授業において、どのようにしてプログラミングを取り入れていくのか、参考になるサイトを紹介します。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル

実施実例では、学習活動の分類A~Eにわけて様々な実施実例、学習指導計画、ワークシートが配布されています。

プロカリ


掲載の事例はどれも実際に行われた授業のもの。教科のねらいと、プログラミング的思考の育成が関連付けられたものが厳選。学年や教科ごとに分かれている指導案やワークシートも配布されています。また、情報教育の年間計画も公開されています。

プログラミング教育実践ガイド

Computer Science for All(NPO法人CANVAS主催の団体)による授業例や、学習の流れを紹介しています。また、学習指導要領の範囲外も含む様々な取り組みも紹介されています。

プロアンズ

ベネッセが公開しているサイトで、パソコンやタブレットを使った指導案が多く掲載されています。教科のねらいとプログラミングのねらいの両方が記載されています。

その他自治体

(初出「こどもプログラミング通信」第18号 2018年10月29日発行)

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第5弾)

E・F分類は教育課程外のプログラミング学習機会

教育課程外における分類として、学校を会場とするE分類と、学校を会場としないF分類があります。地域や企業・団体等において学習機会が用意されるものであり、児童の興味・関心等に応じて提供されることが期待されています。

小学校プログラミング教育の手引では、学校の役割としては、「児童の興味や関心を踏まえて、学習機会を適切に紹介するなど、相互の連携・協力を強化することが望まれます。」とあります。

あわせて手引では、教育委員会が主導し、企業・団体や地域等の人々と連携し、協力を得ている例が7つ掲載されています。

  1. 企業等との連携
  2. 企業等の社会貢献プログラムへの参加
  3. ICT支援員等の活用
  4. 市民ボランティア等の活用
  5. 大学等との連携
  6. NPO等との連携
  7. 学校放送番組の活用

いずれもカリキュラム・マネジメントとして外部の人的・物的資源の活用であり、学校としての取り組みや、教育委員会による支援も重要とあります。

「未来の学びコンソーシアム」に分類別の事例が掲載

各分類に応じた、実際の授業や取り組み事例に関する情報が続々と掲載されています。また、教材情報も充実してきていますので、指導や授業における計画作りの参考になります。

参考サイト:小学校を中心としたプログラミング教育ポータルPowered by 未来の学びコンソーシアム

(初出「こどもプログラミング通信」第17号 2018年9月28日発行)